第39章 少女メルの正体
どこからともなく不気味な声が響く。
ーーカカカ、よくぞ来た。身の程知らずの塗料よ。
もし、無事にわらわの所まで来れたら今度こそわらわが丸呑みにしてくれよう。
声が消えると道を塞いでいた茨が開け階段が現れる。
先へ進むと異様な程に道が入り組んでいる。
「なにここ…これじゃあどこへ行ったらいいか分からないわ。」
ベロニカが上や下に伸びる回廊に唖然とした。
「でも、進まなきゃならねぇよな。あいつを助けるために。」
カミュの言葉にシルビアははぁと肩を下ろす。
「とにかく行きましょう」
ブレインがうんとうなづいて歩き始めた。
回廊は思ったより道筋に沿って歩けばスタスタと進めた。
「なぁんだ!迷宮と思ったけど意外と来れちゃったわね。プチャラオ村に来る前にある程度鍛えていたおかげで魔物も来なかったし!さぁ早くあいつをとっちめよう!」
ベロニカはフンと鼻を鳴らしスタスタ歩いていく。