第39章 少女メルの正体
依然とし、サランは茨に吊るされ身動きが取れない状態にある。
意識はハッキリとしているが言葉を発せないほど衰弱していた。
ーーカカカ、よくそこまで耐えられるものだな。
もう死にかけているではないか
ハァハァと息をするだけで精一杯のサランは何も答えることが出来ない。
ーーせいぜい、まだ命(こと)切れてくれるでないぞ
メインディッシュの前に前菜は必要だからな
カカカカカカと甲高い笑い声がサランの頭に響く。
(誰も…来ないで…)
サランはこれ以上犠牲者が出ないようにと心で願うしかなかった。
分かってはいる。きっとシルビアはサランがいなくなったら必ず探し出す。
さっきメルが言っていたメインディッシュとはブレイン達のことかもしれないと。
みんなの事だから絶対こちらに来る。
だからこそサランは誰も来ないで欲しいと無意味な願いを唱えた。