第3章 サーカスの歌姫
サーカスに観客が押し寄せ開演する。
団長の華麗なトーク
シルビアのジャグリングやアクロバットに火炎芸
ニコスの軽やかな踊り
ほかのメンバーの綱渡りや空中ブランコ、玉乗り等
大いに会場は盛り上がった。
そして、いよいよサランの出番になる。
会場のライトが全て消え真っ暗になるとサランはステージの真ん中に立ち、その時を待つ。
バッと音が響き団長にスポットライトが当たる。
「お集まりいただきました、皆様。
今宵は月がとても美しい夜だと聞きました。
そんな夜に相応しい歌声をお届けしたいと思います。
辛い暗闇の中、一筋の光を見つけた時大切な誰かにきっとあなたも会いたくなるでしょう。」
暗闇の中、サランは小さく息を吸い喉を震わせた。