第37章 その目的は?
サランの体が宙を浮く。
その時、サランはゆっくり目を開け茨を睨みつけた。
サランのことを吸い込もうとした茨はサランをパクリと口に入れたが、パリッと音を立て弾ける。
サランの目は銀に輝き周りには銀に輝く光の膜に覆われていた。
ーー私の子に触らないでーー
サランは膜の中を進むように足を出す。
驚いた茨は彼女を飲み込もうと次々と首を出したが、膜は分厚く頑丈でどんなに攻撃を仕掛けてもビクともしなかった。
その膜はまるで月のように輝きを放ち茨はたじろぐ。
吸収が不可能と理解するや否や、茨はぐるぐるとサランを茨で覆い尽くした。