第36章 迷子の女の子
それを聞いたメルの表情はだんだんと曇り、小さく笑いだした。
「何を勘づいた知らないけど、どうやらあなたには隠せないのね。」
その声は妖艶な大人の声であり到底、年相応の子どもが出せる声ではないと感じた。
「何が目的なの…」
嫌な汗が背中を伝う。早くこのことを知らせなきゃ!
そう思うが体が動かない。
「カカ、それではついてきてもらうとするか。
お前はさぞ素晴らしい色になってくれよう」
メルの目が赤くなり、サランは構えたが体に力が入らなくなり意志とは別に体が勝手にメルの後をついて行くようになってしまった。
遺跡に近づけば近づくほど意識もだんだんと朦朧していき抗う術を見失った。