第36章 迷子の女の子
困ってる人を放っておけない優しい人なんだと改めて思った。
そんな彼の力になりたくメルの面倒は自分が見ると言い出した。
「そう?お願いしてもいいかしら?
アタシはもう一度村に行って探してみるから、ブレインちゃんは遺跡の方を見に行ってくれない?」
ブレインはいいと頷き遺跡へ向かう。
シルビアもここで待っててと村へ向かった。
「お姉ちゃん、パパとママ見つかるかな…」
「大丈夫、シルビアさんやブレインさんはとても優しい人だから見つけるまで諦めないと思うわ。
私と一緒に待ってましょ?」
悲しそうなメルの頭を撫でようと触れる。
メルの頭を触れた瞬間、遺跡の美女の絵が頭に流れ込む。絵の周りには黒いモヤが浮かび茨がふよふよと浮かぶ。
びっくりして手をスっと引っ込めるとメルは不思議そうに首を傾げた。
「お姉ちゃん?どうしたの?」
「………。」
今見たのは何?
なんで、見たことない絵が頭に?
それに、その絵からは
「お姉ちゃん?」
メルの言葉にハッとしてなんでもないと笑うが、サランはこのメルという少女に少しの恐怖を覚える。