第34章 重なる気持ち
サランが立ち上がり船から辺りを見回す。
「シルビアさんの言う通り、船で休んで良かったですね。
先程よりモンスターが増えてる気がしますね。」
シルビアが立ち上がったサランの手を掴み座るように促す。
「ほら、ちゃんと座って。
まだ手当が終わってないわよ。
包帯を巻くわよ。」
手を引かれしぶしぶ座る。
「シルビアさんは過保護ですよ。
これくらいの傷すぐ治りますって。」
「でも傷跡が残っちゃうわよ。」
真面目な顔で丁寧にサランの腕に包帯を巻く。
巻き終えてサランの手を包む。
親指でするっと手の甲を撫でまじまじと見つめた。
その眼差しはサランからは見えないがとても熱く感じた。
「綺麗な手…。」
サランの顔をじっと見つめる。
顔が熱くなるのが分かり、サランはするっと手を引きそっぽを向いた。
「あ…りがとうございま…
手当が終わったならそろそろ離してもいいじゃないですか…
その…シルビアさんに見つめられるとなんか恥ずかしいです。」
そっぽを向いたがシルビアにはサランが赤くなっているのが分かった。