第3章 サーカスの歌姫
次の日からサランは掃除、洗濯、料理をこなし皆が眠りに着いた頃になると30分ほどサーカスを抜け出し
丘の上で歌を歌い練習をする。
練習を始めてから2週間程すると謎の天使の歌声が町で話題となった。
いつも決まった時間になると天使の声が聞こえてくる。
綺麗な歌声が聞こえ始めると泣いていた赤子も気持ちよく寝てくれるようになった。
あの声が聞こえると心が洗われる。
町の人々はその歌声の正体が誰なのか分からず女神様の使いだ、天使だと口々に言っていた。
「サランちゃんの話題で最近もちきりね〜
嬉しいことだわ!!」
シルビアが町に出て買い物したり食事に出かけるとサラン歌声の話が上がってとても嬉しそうだった。
「そう!サランちゃん!これ、開けてみて!」
町から戻ったシルビアは1つの包みをサランに渡す。
「なんですか?」
「いいから開けてみてよ!あ!ちょっと待って!その前にニコスちゃん呼んでこなきゃ!」
シルビアはルンルンと部屋を出てニコスを呼びに行く。
5分もしないうちにシルビアはニコスを連れてやって来た。
「さぁ!開けていいわよ!」
サランはシルビアの言葉に頭が「?」でいっぱいになった。