第31章 人魚の国
それを見たシルビアが指をさした。
「ということは近くにオーブが?
本当だったんだな海底にオーブが沈んだってのは。
さ、早く行こうぜ。」
カミュがスタスタと先を歩く。
通路を抜けた先には幻想的な光景が広がっていた。
それを見た者はその美しさに言葉を失う。
カラフルな珊瑚、白を基調とした家、楽しそうに泳ぐ人魚たち。
「ほほほ、長生きしてみるものじゃの。
まるで天国じゃ。」
ロウがご満悦に浸り髭を撫でる。
「ブレイン、まず海底王国の女王様に挨拶しましょう?
ロミアのこともお話しなきゃ…」
マルティナが王国全体を見つめる。
サランは悲しみの表情を浮かべた。
「あぁ…そうでした…。」
健気に人間の男の人を待って泡となった人魚。
彼女のおかげでこの海底王国に来ることが出来た。
「でもこんな大所帯で押しかけていいのかしら?」
シルビアがふと、考える。