第31章 人魚の国
船を進めて光の柱にたどり着くとブレインはハープを弾き始める。
「綺麗な音…」
どこか懐かしい音色にサランは不思議と胸が温かくなるのを感じる。
波が船を覆うように盛り上がりやがてゆっくりと船を海底へと導いた。
一同はゆっくり辺りを見回す。
「不思議…海の中なのに息が苦しくないです。」
セーニャが言うと他のみんなも確かにと頷く。
「あら?人間のお客様なんて珍しい。何百年ぶりかしら?」
声に驚き振り返ると青髪の人魚が泳いできた。
「ここがムウレア?女王様はどこに?」
ベロニカがキョトンとしていると、人魚はくすくす笑う。
「女王様はこの通路真っ直ぐ行ったところにある宮殿にいらっしゃるわ。
それと、地上に戻りたかったら私に話しかけてね。
私はここの案内係なの。」
「色々教えていたただきありがとうございます。 」
セーニャがペコりとお辞儀して、一同は女王に会うべく歩き出した。
「あら?ブレインちゃん、鞄が光ってるわ?」
歩き出してすぐ、ブレインのカバンの中で虹色の枝が輝き始めた。