第31章 人魚の国
シルビアからもらったナイフを大切に握りしめ白の入江にいるみんなを船から見ている。
「サランさんは降りないんでがすか?」
「うん…ちょっとね。」
サランはアリスに見えない所に行き少し思い詰めた顔をする。
もしもユグノア跡地で見た光景が本当だったら自分たちは破滅の道を歩んでいるのではないかと、この旅の本当の意味が分からなくなっていく。
みんなは海に沈んだオーブがあるかもしれないとこれから海底王国に向かうためロミアからの贈り物を取りに行っている。
本当にこれが自分たちの進むべき道なのだろうかとサランは悩んでいた。
戻ってきたブレインの手にはマーメイドハープがある。
「これでどうやって海底王国に?」
「多分、光の柱の麓に行って弾けばいいと思うんだよね。」
ブレインの憶測にふむとシルビアは考え早速船を進めた。