第29章 それほど大切
浅かった呼吸は次第に落ち着き、ルナリアの意識もハッキリしてきた。
「落ち着いたかしら?」
「シルビアさん…あ……!」
無理に起き上がろうとすると胸に激痛が走る。
「あぁ、無理して起き上がらないの。
あなた、酷く重い一撃食らってたのよ?」
「それは分かってますけど…
そういえばみなさんは?」
「あぁ、祝賀会に参加してるわ。
ブレインちゃんたちがその時にキナイを探すって言ってたわよ。」
「そうでしたか…ってシルビアさんは祝賀会行かなくてよかったんですか!?」
シルビアはサランの頭を優しく撫でた。
「いいのよ。祝賀会より、あなたのことの方が心配だったから。
それに置いて行けないわよ。セーニャちゃんが看てくれるとは言ってたし任せても良かったんだけどね。
やっぱり大切なのはサランちゃんだから…。」
真剣な顔で見つめられるとドキッと心臓が跳ねた。