第26章 二人の想い
サランが空に歌を捧げた時、またシルビアにはサランの背に翼が見えた。
ーーーまただ!
サランサランでなくなる気がする。
ダメ…行かないで!行かせたくない!
サランが見えた大樹が滅ぶビジョンもどこが引っかかる。
シルビアに嫌な考えが浮かんだ。
もしも、大樹の滅びを阻止するためにサランが犠牲になる暗示だとしたら?
大樹が滅び、復活させるために必要な…
そんなこと、許せないし許さない。
何がなんでも守り抜く。
初めて出会ったその時から責任を持って接していた。
最初は弟子のような妹のような可愛くて守るべき存在だったのが大切で命に代えても守りたい存在となっていた。