第26章 二人の想い
いつの間にか夜になっていて、暗い夜空に満月が寂しそうに浮かんでいる。
サランはは言い聞かせるように空へと歌い出した。
この先の未来が光で溢れている
きっと、変わらぬ明日がずっと続くように
hello、大切な人を守りたい
hello、この世界を守りたい
また明日も笑っておはようと言えるように
大丈夫、大丈夫、そうきっと大丈夫
歌い終わると心が落ち着き、少し軽くなった気がした。
「……?」
突然、意識がクラっとする。
一瞬、自分の身体が自分のものじゃなくなった感覚に陥る。
しかし、本当に一瞬の出来事だったためか何事も無かった。
ーーなんだったの?今のは…
ブンブンと気のせいだと首を横に振り何も無かったかのように振る舞う。
既にみんなが眠りについていたのでサランも体を休めることにした。