第24章 先の不安
やっぱりただの自分が見た幻覚だったのかもしれない。
考えすぎないようにと自分を宥める。
「サランさん、他に何か考えてることありませんか?」
「え?」
「何となくですが、ねぇさんのことじゃなくて他にもっと深く悩んでそうな気がしたんです。
ただ話せるかは分からないような…。」
サランは誤魔化すように笑った。
「そうかな?そんなふうに見えました?」
「へぇ、少なくともあっしには見えました。」
「…そっか。」
サランは大きく伸びをした。
くっと背中に力を入れてから一気に脱力する。
「大丈夫だと思います。ちょっと嫌な夢見たくらいですから。」
笑顔を作りなんでもないと言い張り、結局自分が見たそれの答えは出なかった。
きっと、悪い夢の何かだろう。
そう言い聞かせるしかなかった。