第24章 先の不安
目が泳ぐ。
隠し事があることはシルビアには分かっていた。
しかし、どう切り出せばいいのかどうしたら話してくれるのか分からない。
「そう、じゃあアリスちゃんとお留守番しててくれる?」
サランはこくんと頷いた。
「では、わしらはジエーゴ殿に話をしてこよう。」
サランは船に残り、他のみんなはソルティコの町へと降り立った。
ソルティコに入る直前、シルビアはやはりサランのことが気になると言い出し、結局剃るの町には入らなかった。
アリスが船での作業を終えてのんびりしているとサランがアリスにシルビアとはどういう人なのかを尋ねた。
「ねぇさんのことですか?
あの人なかなか、自分のことは語らないんですよね。
あっしも、何度か聞いてみたんですが野暮だから辞めなさいなんて言われてしまって。
あ、でもサランさん。あんたのことはよく話してくれましたよ?」
「私の事?」
「へぇ、歌姫になってからますます可愛く綺麗になったとかサランさんからのプレゼントとか凄く喜んであっしに話してました。」
「そう…なんだ。」
なんとなく、町の方を見つめる。
勇者と一緒に行ったシルビアが少し心配なのと嬉しさと気恥しさが混ざりどんな顔をすればいいか分からなくなる。