第2章 小さな蕾
数ヶ月後
サランは団員達とも打ち解けそれとなく人らしい生活を送っていた。
特に、歳が近い姉的な存在のニコスとはよく話すくらいに仲良くなっていた。
「サランは踊りとか詩とかに興味はないの?」
踊り子のニコスが衣装を洗いながらサランに尋ねる。
「踊りと詩…?」
「そう、サランは可愛いし鍛えればすごく素敵な踊り子になれると思うのよ」
他の仲間の衣装をジャブジャブと水で泡をすすぎながらサランは考えてみた。
ニコスは踊り子としての演技をうっとりとステージの片隅から見つめるサランのことに気がついていた。
歳もそこまで離れてないからかシルビアの次に仲がいいからか何でも話せるくらいである。
だからか、ニコスはシルビアにもサランのことを気にかけてあげてと頼まれていたりもした。
(踊りや歌…か…)
サランは手を止めうーんと考えた。