第2章 小さな蕾
「あの、芸は…出来ないけど…お掃除とかお料理なら。
お母さんのお手伝いでやってたことはあるし洗濯もやれるから…!」
必死な声と真っ直ぐな表情にシルビアも真剣な顔をしてサランの前にしゃがむと
「家のお手伝いじゃ間に合わない数の人達がいるここで?お料理もお掃除も?」
シルビアの言葉にたじろぎしそうになるがサランは「やる!」と力強く答える。
「そう!でも無理はしないでね?約束よ?」
こうして、サランはシルビアの傍で過ごすこととなった。始めこそなれない手つきで芸人に必要な道具の手入れ等こなしていく。次第に慣れると1人でも、仕事が出来るようになっていった。