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月夜の歌姫
第24章 先の不安
気づけば船に着いていて、みんなが乗り込んでいる途中だった。
「あ、ごめんなさい。」
シルビアが振り返りサランの顔を覗き込む。
「大丈夫?顔色悪いわよ?なにかあった?」
「あ、えっと…」
なんて言えばいいかわからず途端に目がキョロキョロと泳ぐ。
昔から直らない、何かを隠したり嘘つく時の癖。
「無理に話さなくていいわ。でも話せる時には話してね?」
「はい…」
頭をぽんぽんと撫でられる。
微かにその手は震えているとサランは感じた。
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