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月夜の歌姫

第24章 先の不安


何か言いたいような言わない方がいいような表情をする。

「とにかく手がかりがない今世界中を回って情報を探すしかねぇな。」

カミュの言葉にロウが賛成する。
世界中へ行くにはソルティコから出なくてはならないとの事だ。

その時、ふとシルビアが苦そうな顔をしてそっぽを向いた。
その様子にサランが不思議そうに見つめる。

「シルビアさん?どうかしました?」

コソッと他の人には聞こえない声でシルビアを話しかける。

「……なんでもないわ。」

困ったように笑って優しく頭を撫でる。
その手の温かさや大きさに安心しつつ、様子が変わったシルビアがサランは心配になった。

「よし!それじゃあオーブを探す旅に道をひらくのじゃ!」

ロウの音頭に皆がおーっと気合いを入れ船へと戻って行く。
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