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月夜の歌姫

第24章 先の不安


ユグノア城跡地を去ろうとした時、虹色の枝が眩く光り不思議な光景が目の前に広がる。

命の大樹への行き方、6色の宝玉、その色に輝く空への道

その光景が見えたのはブレインだけではなかった。
その場にいた全員が見えていた。

ただ1人だけその先を見えたことは誰も知る由もない。

「ちょっといまのなに?アタシにも見えたわよ!?」

シルビアが驚きを隠せないと言ったように体を振る。
ベロニカが今、見えた祭壇とオーブを確認する。
するとセーニャが祭壇にオーブを捧げればいいと思いついたようだ。

「すげぇ…大樹への行き方が分かったな。
これが虹色の枝の力か…
そうか、オーブが必要なら仕方ねぇ。
これはお前にやるよ。」

カミュはそう言って懐からレッドオーブを取り出しブレインに渡した。
それを見ていたロウも懐から黄色いオーブを取り出す。

それを見ていた、マルティナもホッとしたようにオーブを見つめる。

「ロウ様、仮面武闘会の商品であるオーブを売らなくて正解ですね。」

「そうじゃな、真の価値もわからず路銀に変えるとこじゃったな…。ブレインよ受け取るがよい。」

ロウからオーブを受け取り鞄にしまった。

「祭壇の場所は大樹の真下である始祖の森という場所。
残りの4つのオーブを集めて祭壇に捧げるのじゃ。」

セーニャが困った顔をする。

「残り4つのオーブ…どこから探せば…?」

「1つは海底に沈んだって聞いたことあるわ…
でも雲を掴むような話だし…」

話がどんどん進んでいくことにサランは困惑した。
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