第24章 先の不安
「やはり、グレイグが追っ手だったとは…。
デルカダール王について聞きたいことがあったが難しいようじゃのう…。
とある王国は奸人に化けた魔物によって滅ぼされた。
その魔物は、
ウルノーガ。
長い旅でようやく分かった名前じゃ。
今のデルカダールもまたやつに牛耳られておる。
きっと、勇者が生まれたのはそのウルノーガを倒すためだと考えておる。
しかし、まだやつの闇の力は未知にして膨大…。
無策で行くのは到底無謀なことじゃ。」
ロウが言い終わるとセーニャが何かを思い出したかのように話してくれた。
「命の大樹には闇の力を祓う何かがあると幼い頃聞いたことあります。」
そこへサランが口を挟んだ。
「それって結局、私たちはブレインさんと命の大樹に向かえばいいってことですよね?」
ロウが頷き虹色の枝をブレインに渡した。
「1部だがこの枝は命の大樹だったものじゃ。
きっと、勇者の力があるブレインなら何か行き方が分かるかもしれぬ…。」
ブレインは枝を受け取り、集中したが何も見えないと答えた。
「何も見えないってガセネタ掴まされたってこと!?」
呆れ怒りながら叫ぶベロニカをサランが注意した。
「気持ちは分かるけど、そんなに怒ることないと思うよ?
あくまで噂だったし、また道を探しましょう?」
サランにたしなめられうぐぐっと口を噤んだ。
「そうじゃな、ワシらも一緒に同行することにしよう。
よろしく頼むぞ、ブレイン。」
ブレインは嬉しそうに頷いた。