第2章 小さな蕾
すぐにご飯が運ばれてきた。
ドア付近で2人分の食事を受け取るとサランの前にそっと置く。目玉焼きとパンとベーコンが乗った簡易的な朝ごはんである。
「遠慮しないで食べなさい?アタシ達の作るご飯は美味しいわよ」
パチンとウィンクをして勧めるとサランはパクパクとご飯を頬張る。
そんな様子を見つめながらシルビアはゆっくりと召し上がる。
「うふふ、おいしい?」
サランはシルビアの言葉が聞こえてないのか夢中になって食を進める。しかし次第にその勢いも落ちて、同時に涙も零れ始めた。
「どうしたのかしら?」
サランはボロボロ落ちる涙を抑えきれずついにうわぁぁぁぁぁと泣き出した。何かを悟ったのかシルビアはサランに近づき優しく背中を撫でる
「……辛かったわね。大丈夫よ?」
サランはヒクヒクとしゃくりをあげ、泣きはらすと少し落ち着きを取り戻していった。
「少しは落ち着いたかしら?」
サランは頷くと涙を袖で拭った。
「そう、それならよかったわ!」
シルビアがにっこり笑い「さて!」と立ち上がった。
「あなた行く宛てがないって言ってたわよね?
だったらアタシ達と一緒に旅をするからには…」
サランは突然の話にポカンとする。
「もちろん、タダで…とは言い難いわね。
う〜ん…。」
シルビアが顎に手をあて考えてるとサランが口を開いた。