• テキストサイズ

月夜の歌姫

第2章 小さな蕾


(一体、どんな経験をしたらこんなに怯えるようになるのかしら…?)

カタカタと震える少女…
昨夜まで盗みをしていた彼女の目は怯えている。

「まだ、心を開けたとは言えないわね…」

ふぅとため息をついた時ドアを叩く音が響いた。
すぐに男性の声が響く。

「シルビアさん、起きてます?ご飯食べますか?」

「あら!もうそんな時間なの?ちょっと待ってねすぐに行くわ!」

そう言ったが、チラリとサランを見る。
こんな状態でみんなの前に出すわけにもいかない。
余計怖がらせるだけだと思った。

「あ、ごめんなさい!やっぱり2人分持ってきてほしいわ!」

「分かりました。」

淡々と応える男の足音が遠ざかっていく。

「あなたも食べるでしょ?朝ごはん。」

シルビアはサランに向き直るとニコリと微笑んだ。
シルビアの質問にこくんと小さく頷く。
それを見たシルビアはまた優しく笑った。
/ 618ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp