第21章 ユグノア跡地の老人
その間にみんなもロウの後に続いた。
ロウが見せたいと言ったものは1つの岩らしきものだった。
それを眺めながらゆっくりロウは色々なことを少しずつ話してくれた。
隠居していて、民と杯を交わし笑いあっていたのに16年前に全てを魔物に奪われたと。
そして、その岩はお墓だった。
かつてのユグノア王国の国王と王妃の墓であるとロウは教えてくれた。
「それってつまり…」
シルビアは言葉を飲み込んだ。
ブレインの父親と母親のお墓ということになる。
「16年前に亡くなったわしの娘とムコ殿の墓じゃよ…」
ロウの悲しそうな背中を一同は見つめた。
「え!?それってもしかしてブレインのじいちゃん!?」
カミュが驚き開いた口が塞がらない。
しかしそんなカミュ、一同をよそにロウは話を進めた。
自分の娘も婿も死に自分だけが残されたのには意味があると思わないと辛すぎたと。
ユグノアが滅ばなければならなかったのか原因を探ることを生きる目的とした。