第20章 虹色の枝はどこへ?
朝を迎え一同はユグノア城に向けて再出発をする。
サランは念の為にと、全員にせいすいを1度振りかけた。
荒廃してしまったからなのか近くに行けば行くほど、モンスターの数が増えていることに嫌でも感じた。
「アタシたちの実力とせいすいのおかげでなんとか無駄な戦いは避けられてるからよかったわ。」
シルビアが安堵の息を漏らし進んでいくとユグノア城跡地らしき場所にたどり着いた。
人が住んでいた跡が辛うじて残っているだけで人が住める場所では無いことは明らかだった。
「これは…酷い有様…」
サランも含め一同は開いた口が塞がらなかった。
「16年前。世界一の歴史を誇るユグノア王国はたった一晩で魔物に滅ぼされたと聞いたわ。
ユグノアの王と王妃はもちろん遊びに来ていたデルカダール王女も殺されたと…」
シルビアの言葉にサランはハッとした。
「もしかして…それってブレインさんのお父さんとお母さん?」
ブレインは考えるように俯いた。
なるべく触れない方が良かったのかもとサランもごめんなさいと呟く。