第2章 小さな蕾
シルビアは朝の冷えた空気を感じられずその代わり腹部から下半身全体にかけて感じる温もりに目が覚めた。
「え?どういうこと?」
サランがシルビアのベッドに潜り込み眠っていた。
ギュッとシルビアの服の裾を握りしめすぅすぅと眠るその目には涙が溜まっていた。
シルビアはサランの頭をそっと優しく撫でようと手を伸ばす。
シルビアが動いたせいかタイミングなのかサランの瞳がパチッと開く。
開いた瞬間にガバッと起き上がりシルビアと距離を取ろうとその場から逃げ出す。
シルビアから離れるとようやく自分がどこにいて誰がいるのかを理解する。
「あ…えっと…」
サランはしばらく俯いて黙り込んだ。
そんな様子を見ていたシルビアは優しく笑いかける。
「大丈夫よ。驚いただけだものね」
シルビアの様子を見て力無くペタンと座り込む。
サランの震えが収まるまで特にシルビアはアクションを起こさなかった。