第15章 地下洞窟
ラァラはくすんくすんと泣きながら2人の姿に気がつくとホッとしたようだ。
「サランお姉ちゃん…?」
「ラァラちゃんなんでここに?1人?」
「うん…ハンフリーお兄ちゃんがどこか、女の人を抱えて行くからどこに行くんだろうと思って後を追いかけたら見失っちゃったの。
それであたし怖くなって帰りたくてもどこだか分からなくて…」
震えるラァラをサランはギュッと優しく抱きしめる。
するとラァラも小さな腕でギュッとサランを抱きしめた。
「シルビアさん…」
「分かってるわ。ハンフリーちゃんはアタシ達に任せて2人は先に戻ってて?」
「ハンフリーお兄ちゃん…悪いことしてるの?」
「え…」
「私、知ってるよ…お兄ちゃん時々ね。
強そうな人を担いでお庭に行ったと思ったらいなくなっちゃってて。
多分、なんかあるんでしょ?
私もハンフリーお兄ちゃん止めたい…!
だって私たちを家族や兄弟みたいに大切って言ってたもん。
大切な人がダメなことをしているのを止めるのも私たちがしなきゃ…。」
ラァラはボロボロと涙を流しうわぁんと声を上げて泣きだした。