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月夜の歌姫

第15章 地下洞窟


サランは心配そうに少女がいないか探す。

「サランちゃん?危ないわよ?一人で行かないの。」

「……でも。」

1人で先に進もうとするサランの手をシルビアが握った。

「大丈夫、アタシも一緒に探すから。」

シルビアがいつものように優しくほほ笑みかけると
サランも少し緊張がほぐれた表情を浮かべる。

「なぁ、あの2人なんかあったのか?」

カミュがブレインにこしょっと話しかけるがブレインも分からず「さぁ?」と肩をあげるだけだった。
奥へ進むと子供の泣き声が聞こえてきた。

「ラァラちゃん!?」

シルビアとサランが走り出し声のする方へ向かう。
向かった先にはラァラが1人、洞窟の隅でうずくまっていた。
辺りに魔物の気配はなく、ひとまず2人はラァラの傍に近寄った。
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