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月夜の歌姫

第15章 地下洞窟


3人がその場にいるとあとからブレインたちも合流する。

「やっと追いついたぜ、サランの探してたやつってこいつのこと?」

「カミュちゃん!そうなのよ…この子、ハンフリーちゃんのところに行くって泣き出しちゃって。
この先危ないと思うから本当はサランちゃんと戻ってもらいたかったのに。」

「だったら連れてっちゃえば?」

ベロニカが呆れたように提案するとやはり一同は驚いた。

「しかし、こんな小さな子どもを連れていくには危険すぎると思うんじゃが…」

サランはみんなの意見を静かに聞いている。
自分だったらどうするだろう…。
絶対ないと思うけどシルビアが、なんて思うとラァラの気持ちも痛いほど分かってしまう。

「私が責任持って守るので連れて行ってもいいですか?」

「お姉ちゃん?いいの?」

ラァラが驚き泣き止む。

「私も、ラァラちゃんの気持ちが凄くわかるんです。
もしも…」

そこから先は黙り込んでしまった。
シルビアが…なんて口が裂けても言えない。

「サランちゃん…。」

シルビアがサランの顔を見つめる。
その目は真っ直ぐで「連れてく」としか言い得なかった。

「んもう!サランちゃんはこういう時、頑なになるんだから!でも、サランちゃんらしいわ。さ、行きましょ?」

シルビアはやれやれとため息を吐き、ラァラを連れていくことに決めた。
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