第14章 サランの約束
サランはラァラの体をそっと抱きしめてからシルビアと教会外に出た。
教会を出てから少し歩くとシルビアは深いため息を吐いた。
「アタシって最低…」
サランはその背を不思議と見つめる。
一体、何の用で呼び出したのか答えが知りたかった。
「あのぉ…」
「あぁ、サランちゃん。ごめんなさいね。
ちょっと色々見てしまって。ちょっと顔を見るまで心配になっちゃったのよ…。けど気にしないで、あなたの顔を見たら落ち着いたからあの子たちが待ってるわ。」
そう悲しそうに切なそうに笑うシルビアをサランはそっと抱きしめた。
背が高く、広いその背中がどこか小さく感じる。
「シルビアさんが何を見たか私に教えてくれませんか?
それを私は知りたいです。」
背中に耳を当てると微かに鼓動がとくんとくんとシルビアの胸を打っているのが分かる。