第14章 サランの約束
名前を呼ばれ、サランの歌が止まる。
「シルビアさん…?」
瞬きをすると先程の羽はなく、いつもそばに居るよく知った姿のサランがシルビアを驚いた眼差しで見つめていた。
「なんだよ〜お兄さん聞きたいなら座って静かに聞いて欲しいんだけど。」
ブーッとコーアが子どもらしく頬をふくらませた。
「ごめんなさい。ちょっとサランちゃんに用があって。」
サランはオドオドと、困った様子でみんなを見回す。
子どもはなんで?と言った表情をしていた。
「ちょっとごめんなさい?シルビアさんと話してもいいかしら?」
サランがごめんねと言うとラァラはしょんぼりしながらいいよと言ってくれる。
「ありがとう…」
サランの胸がキュッと痛くなった。
気持ちが痛いくらい分かるからだ。