第14章 サランの約束
「これから、女神様の前にて歌わさせていただきます。」
サランが心の声で挨拶をしている間、ラァラ達が他の子を落ち着く場所に座らせていた。
全員が座る頃、サランの挨拶も終わり全員が歌い始めるのを今か今かと心待ちにしている。
サランが優雅にお辞儀をして喉を震わせる。
窓から差し込む光が私の心を照らして
温かく浄化してくれる
どうか、私をお導きください
穢れなき魂でお尋ねいたします
どうか、私をお導きください
いつかこの身が終わ…
ーーーサランーーー
聞き覚えのある声が教会に響いた。
しかし、その声は聞き慣れたオトメな声ではなく優しく強さのある男の声だった。