第14章 サランの約束
真正面には女神が祈る像が置かれていて教会でもあるんだとサランは悟った。
「優しい人に助けてもらったんだね」
サランは嬉しそうに切なげに口角を上げる。
どこか、幼少期の自分が羨ましいなと囁く。
「ハンフリーお兄ちゃんはねすごく強いんだよ!
今回のコロシアムも優勝しちゃうんだから!!」
誇らしげにコーアがハンフリーと言う男の自慢をするとサランがコーアの頭を優しく撫でた。
「そっか、歌う前に女神様にご挨拶してもいいかしら?それとみんなを座らせてくれると歌いやすいからお願いしてもいい?」
サランの頼みにラァラとコーアが任せてと笑った。
その無邪気な笑顔にサランも顔が綻ぶ。
サランは像の前に立つと手を組み祈りを捧げた。