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【R18】コナン短編集【赤井秀一・降谷零】

第1章 Du sollst an mich denken


―3年前―
今日は、研修生の卒業試験日。
実践を想定した実技試験が、行われている。
想定場面は、海外の要人が来日している最中、その要人を標的にした爆弾テロ予告が発生。
犯人から送られてきた予告文を元に、爆弾テロを回避し、要人を護衛する作戦を研修生全員で立案、実行するものだ。
彼らは今後、全国の県警を指揮監督する立場に立つ身。
このような大事件にあっても、冷静さを欠かず、幅広く情報収集をし、緻密な戦略を立てて実行に移すことが求められる。
卒業試験の定番と言っても、過言ではない想定場面だ。
しかし、僕はこの試験であることを見極めようと思っていた。
それは各個人がこの場面において、チームとして最適な役割を見出すことができるかどうかだ。
全国の県警を指揮監督する立場に立つ職種を選ぶだけあって、今回の新人たちもリーダーシップに溢れる者ばかりだ。
ただ「船頭多くして船山に登る」と言われる通り、指揮する者ばかりが集まって居ては見当違いな戦略が立てられ、本来の要人警護と爆弾テロ犯の逮捕には至らない。
今後、警察庁の未来を背負って立つ彼らには、いつまでもリーダーシップとフォロワーシップの両方の精神を持って、この組織を発展させて欲しいという願いがあった。
そう「この国を守る」という大義において、彼らは上下関係ではなく仲間であって欲しいと僕は思っているのだ。

そして、この試験で事件が起こった。
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