第3章 年に一度の…
ジョ:「シュウ、参加条件は仮装よ。貴方も例外なく仮装してもらうわよ!」
すかさず、ジョディが釘を差す。
赤:「ああ。構わん」
ジョ:「え?良いの?」
素直に同意したシュウの反応が予想外だったのだろう。
強気で話していたジョディが、驚きの声をあげる。
赤:「ミアのウェルカムパーティだろ?主役が盛大にやりたいと言っているんだから、俺だって盛り上げるために仮装くらいするさ」
何でも無いことのように答えるシュウ。
しかし、私は彼の言葉を嬉しく思う。
任務でもミーティングでも、冷静沈着で無駄な言動を好まないシュウ。
その彼が、「私の希望を叶えるために仮装をしてくれる」と言っているのだ。
キャメルも驚いて言葉を失い、マジマジとシュウ見ていた。
赤:「おい、そんな珍獣を見るような目で見るな」
驚いた周りの反応に、不快感を露わにするシュウ。
私は彼の気が変わってはいけないと思い、慌てて声を上げた。
『シュウ、ありがとう!絶対に盛り上げようね』
赤:「ああ。ミアがどんな仮装をするか、楽しみにしているよ」
そう言ってシュウは、片方の口を少しだけ上げてから、ミーティングルームを出ていった。
ジョ:「驚いた!あのシュウが、仮装を受け入れるなんて」
キャ:「ミアさんとの再会が嬉しいんですよ、きっと」
ジョ:「そうね。素直にそう言えば、良いのに」
キャ:「まぁ、赤井さんらしいじゃないですか」
口々に先ほどのシュウの言動を話す2人を横目に、私は彼の最後の言葉を思い返していた。
(楽しみにしている!って、言われた。どうしよう?凄いプレッシャーなんだけど…あのシュウが満足する仮装って何?)
ジョ:「ミア、どうしたの?」
私が無口になった事を不思議に思ったジョディが、声をかけてくる。
その声に我に返った私は、ジョディの肩を掴み、縋るように彼女を見つめた。
『ねぇ、ジョディ。日本で流行っている仮装は何か教えて?』