第2章 Trick or Treat !?
純粋な目で疑問を投げかける川崎さん。
任務に関する質問だと思っていた僕は、面食らってすぐに答えることができない。
『会場には、魔女とか黒猫とか…ハロウィンの定番コスチュームの人たちばかりでした私のような仮装の人がいなかったから…』
僕が答えに窮している理由を、自身の説明不足と思ったのであろう。
川崎さんは、一生懸命に理由を力説してくる。
僕は、その様子に気圧されて自然と口を開いていた。
降:「ほら、定番だと目立たないでしょう?」
『目立たない?』
降:「だって、君の任務は裏パーティにいち早く潜入すること」
僕は取って付けた様に、理由を熱弁して見せる。
『そうだったんですね…私はてっきり、降谷さんのご趣味かと…』
(わかっているじゃないか!!)
川崎さんの返答に心の中でツッコミを入れながら、僕は惚けて見せる。
降:「趣味?」
『はい…この衣装、コルセットも付いてて、スタイルが目立つじゃないですか?しかも、ロングスカートで露出がほぼ皆無。隠されているから余計に、想像力を掻き立てられますし。それに加えてこのヘッドドレス…「萌え要素」が満載というか…』
立板に水の如く川崎さんは、衣装の感想を述べている。
その様子を僕は呆気に取られて、眺めていた。