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【R18】コナン短編集【赤井秀一・降谷零】

第2章 Trick or Treat !?


『今回も申し訳ございません!』

RX−7の車内に戻って来た僕たち。
川崎さんは色々と質問したい様子であったが、第一声で謝罪を述べる。

(このやり取りは、何度目だろう)

半ば恒例行事となりつつある川崎さんの謝罪。
その姿を見ながら、僕は苦笑する。

降:「無事に摘発できたから、問題ないけど…今回も後始末が大変だろうね」

『うぐっ…やっぱり…』

後始末をするのは風見であって、僕は何も手を下すわけでもないのに、わざとらしく僕は答えて見せる。
案の定、川崎さんは見るからに落ち込んだ。
その姿があまりにも愛おしく思え、僕はさらに揶揄いたいと思う気持ちに火がついた。
しかし、これ以上は止めておく。
今回はFBIの仮装をした組対にも非はあるし、僕自身も川崎さんに組対メンバーがどんな仮装をしているか告げていなかったからだ。

降:「何はともあれ、君が無事で良かった」

僕は、俯いている川崎さんの頭をそっと撫でながら、優しい声音で労いの言葉をかける。
それに気づいた川崎さんが、すぐに顔を上げた。
その顔は、疑問に思っていることを聞いても良いかと伺う様な上目遣いだ。

(その格好で、その視線は反則だよ…)

僕は自ら用意した衣装と川崎さんの魅力の掛け算に、理性を飛ばしかける。

『降谷さん?』

僕がマジマジと彼女を見つめたまま、黙ってしまったためだろう。
疑問に思った川崎さんが、さらに僕に近づきながら声をかけてくる。

降:「質問は1つだけ!」

僕は慌てて、返事をする。

『え?1つですか!?』

降:「当然だよ。君自身の成長のためにも、自分で調べられることは調べないと。これも訓練のうち!」

僕は理性を飛ばしそうになっていることを悟られまいとして、あえて「訓練」という言葉を使う。

『承知しました…でしたら…』

少しだけ考える素振りをする川崎さん。
僕は、彼女の口が開くのを黙って見守っていた。

『どうして私の衣装、これにしたんですか?』

降:「へ?!」

僕は間抜けな返事をしたまま、しばらく口を閉じることができなかった。
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