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【R18】コナン短編集【赤井秀一・降谷零】

第1章 Du sollst an mich denken


『降谷さんと出会えて、本当によかった』

安堵のため息と共に、自然と私の口から言葉がこぼれた。
降谷さんも同じ気持ちで居て欲しいという淡い期待を込めながら、私は降谷さんを見つめる。

降:「最初の出会いを君は、すっかり忘れていたけどね」

ところが、予想の斜め上を行った返答が、私の耳に届く。
先ほどまでの包み込む様な優しさはどこへ行ったのか、完全に仕事用の言動に戻った降谷さん。
私の失態を指摘することは、忘れていないから侮れない。

『うっ…それは、申し訳ございません。これからは、絶対に忘れません!』

降谷さんが「公安のエース」と呼ばれることを今更ながらに思い出していた。

(そんなに事は、上手く進まないよね…)

わかりやすく、落胆して俯く私。
しかし次の瞬間、私の頬に降谷さんの手が優しく添えられた。
私は驚いて、すぐに顔を上げた。
そこには、私だけが知る降谷さんの姿があった。

降:「そうだね…これからは、『僕と』この国を守ることを考えて欲しい。今までの君は、この国を守ることだけを考えていただろう?僕とどうやって守っていくかを常に考えれば、忘れることはないんじゃないかな。」

私には、到底思いつかない彼の素敵な提案。

『忘れる暇なんて、与えてくれないんですね』

降:「当然!」

そこには、自信に満ち溢れた降谷さんが居た。
私はそんな彼に再び、宣言する。

『こんな私ですが、末長くよろしくお願いします!』
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