第2章 大切なΩ(千堂敦β×花垣武道Ω+佐野万次郎α)
タケミチはマイキーくんの番になった。
あれから、1ヶ月くらい経つ。
「なぁ、今日、アッくん家行っていい?」
「は?また?」
タケミチはこうやって毎日のようにオレと遊ぶ。
ちゃんとマイキーくんに会ってんのか?
オレはタケミチに甘い・・・。
だから今こんなことになってる。
オレの部屋で遊んでいると、タケミチは突然苦しみ出した。
ヒートだ。
マイキーくんと番になってるから、オレには一切フェロモンを感じ取れないが、いつもオレが抱いていた時と一緒だ。
フェロモンがなくても、タケミチはオレを誘惑する。
汗をかき、肌を上気させ、涙目になっている。
「今、マイキーくん呼んでくっから!!」
タケミチの携帯を奪い、マイキーくんに電話をかけて、居場所を聞いた。
急いでマイキーくんがいる場所に向かった。
「マイキーくんっ、タケミチ、ヒートなってて、来てくれねっスか!?」
マイキーくんの姿を見付け駆け寄り、腕を引く。
「オマエが相手すればいいだろ。」
「は?なに言ってんスか!?マイキーくんはタケミチの番でしょ!早く楽にしてやってください!!」
バッと腕を弾かれた。
なんなんだよ、番がヒートだってんのに、なんでこんな・・・。
「なんでそんななんスか!?オレ、タケミチを幸せにしてくださいっていいましたよね!?なんで蔑ろにするんスか!」
「それはタケミっちだろ!!番になったって、あいつはオマエしか見えてねぇんだよ!!あいつはオレなんていらねぇんだよっ!!」
マイキーくんはちゃんとタケミチを大切に思ってるんだ。
だけど、タケミチは・・・。
オレがタケミチに出会わなければ・・・。
「じゃあ今日はいいっス。その代わり、今度3人で話しましょう!!」
オレが2人を邪魔してる。
でもタケミチは運命の番が目の前にいるのに、オレを選んでくれる。
タケミチ、オマエにとって、幸せってなんだ?
急いで家に帰り、オレの部屋へ急ぐ。
タケミチを見て、堪らなく愛しくなった。
オレのベッドで、オレの物で・・・巣作りをしてる。
「クソっ・・・!」
必死に欲をしまい込んで、タケミチの鞄から抑制剤を取り、飲ませた。