第2章 大切なΩ(千堂敦β×花垣武道Ω+佐野万次郎α)
殴っても殴っても全然退かないαたち。
なんでそんなラット状態でいられる?
意味がわからない。
普通殴れば、少しでも理性を取り戻すだろ。
タケミチを守りながら、αたちを殴り続ける。
オレも何度も殴られて、唇が切れて血が出てるし、頬も熱い。
βのオレじゃムリだ。
αたちに注意しながら、タケミチのポケットから携帯を取り、電話をかけた。
「マイキーくん!!タケミチのダチのアッくんだけど、今すぐ来てくれないっスか!?タケミチがやばくてっ!!」
マイキーくんはわかったと言って通話を切った。
マイキーくんが来るまで、どうにかやり過ごさなきゃならない。
「アッくん、ごめん、オレ・・・。」
そうか、だから・・・。
タケミチから出てるフェロモンは、βのオレでもわかるくらいめちゃくちゃ濃い。
ヒート中にオレとセックスしてる時と同じくらいだ。
なんでこんな出てる、オレですらやばい。
「アッくんが傍にいるから・・・オレっ・・・アッくんが欲しくて堪んねっ・・・!!」
「ばっ・・・!!・・・・・・クッソ・・・。」
本能を無理矢理鎮めて、向かってくるαに殴りかかる。
こいつら喧嘩慣れしてねぇくせに、なんなんだよっ!!
αだからって、なんでも持ってんのかよ!?
クソムカつく・・・。
いろんなもん持ってっくせに、Ωのフェロモンには抗えねぇって・・・。
だったらオレにそのα、くれよっ!!
オレだったら、嫌がるタケミチを無理矢理襲ったりしねぇ!!
例え、αだったとしても、傷付けない為に本能に抗う。
腕を引っ張られるが、タケミチの前からは絶対に動かねぇ。
早く・・・早く来てくれよ、マイキーくん!!
オレらに群がるαたちの奥にマイキーくんの姿を捕らえた。
腕で鼻を押さえ、威嚇フェロモンを放った。
フェロモンをあまり感じとれないβのオレでも、後退るくらいの強さだ。
そのフェロモンを感じ取ったαたちは、一目散に逃げていく。
「早くタケミっちを連れて行けっ!!」
「あっ・・・はぁっはぁっ・・・!!」
「タケミチっ!?」
突然タケミチは蹲り、パンツの中に手を入れた。