第1章 ラビスタ編〝未来の海賊王へ〟
「そういや…今日は早いな。」
ジークは手元に視線を向けたまキルマに問いかけた。先程仕込んでいた肉をカウンター前の鉄板で焼き始めるといつものように開店前の店内で二人の世間話が始まった。
「そうなんだよ、僕何年振りだろう港に担当になったの…。新人の奴がヘマしてさ、団長が怒ってグサッとね…」
キルマが自分の腹を指さしながら顔を引きつらせた。
キルマの言う“団長”とは彼の上司であり、現在この島を主に取り仕切ってる者。名は〝「フランゲル・ダルク」〟
元海賊で元王下七武海だった人物でもある。
だが就任後すぐに七武海を辞退し海賊までも彼はやめることとなるが、後に数年後ラビスタ島を取り仕切るトップに適任され、現在に至る。
「またか…ったく、あいつらも学習しねぇな」
「日常茶飯事だよ、軽い傷だからそのうち治る」
そんなたわいもない会話が続いた。
そしてジークはキルマの目の前に、ナイフとフォーク、ナフキンを置くとそのまま出入口へ向かい看板の明かりをつけ、準備中だった札を営業中へと反した。