第2章 ラビスタ編〝亜熱帯雨林の逆行〟
「よ!」
キルマを覗き込んだルフィが片手を上げて何事もなかったかのように笑顔で挨拶をする。
するとルフィの隣に座っていたナミがお馴染みのゲンコツを食らわせた。
「ちょっとルフィ! もっと優しくできないの!」
「痛てぇな! ナミが連れてきてって言ったんだろ!」
「キルマくんおはよう、よく眠れた?」
「うん、おかげさまでね」
ルフィとナミの口喧嘩をもろともせずビビがキルマにそう言葉を交わすとそれと同時にキルマもカル―を抱え椅子に座り直す。
「そういえば、あの腕さ…ルフィは、悪魔の実を食べたの?」
「おう! 俺はゴムゴムの実を食べたゴム人間なんだ!」
「へぇゴム人間‼」
そう言いながら自身のほっぺを伸ばし得意げに披露するルフィにキルマは笑う。
するとキッチンから「先に食べててくれ」とサンジの声が飛んでくる。
「まあ、みんな揃ったところだしあったかいうちに食べようぜ」
「そうだな、おれももうお腹ペコペコだ!」
ウソップとチョッパーが同時に手を合わせると皆もあとに続き手を合わせ声を揃えると一斉に食べ始めた。
昨日とは打って変わったメニューを昨日と同様に目に焼き付けながら口にする。サンジの料理は言うまでもなく、とても美味しかった。
海鮮のスープ、卵と白身魚のサンドウィッチ、スムージーに果物。まるで客室で出される朝食のようだ。皆の反応を見るからに、今日だけ特別に作った雰囲気でもなさそうだった。
いつ見ても、何度見ても、サンジの料理はキルマにとっていつまでも輝いて見えたのだった。
ナミが取り分けてくれたサンドウィッチをゆっくりと頬張るとキルマの瞳が一気に輝き始めた。