第1章 ラビスタ編〝未来の海賊王へ〟
それからキルマは島を案内した。
出店、薬屋、図書館、武器屋、服屋に加工屋、皆が興味のありそうな店をピックアップし、街を一通り巡った。
航海士のナミ曰く、昨日の嵐でアラバスタ行きのエターナルポースが狂ってしまったようで、ルフィたちは数日ほどここに滞在するらしい。と言っても、彼らは先を急いでいるらしく、エターナルポースが直り次第出発するそうだ。
「時間があれば明日、気になるところにまた行くといいよ」とキルマは言う。
街一周巡り、紹介し終わる頃にはすっかり日も暮れようとしていた。
「そういえば、君達今日はどこに泊まる予定なの? ホテル?」
「あー、私達今そんなにお金もってないのよ。今夜は船に泊まる予定。」
「僕が払おうか? なんか悪いことしちゃったしさ、あそこの本部の隣わかる? あそこに客室があるんだけど…スイートでいいかな?」
彼の指さした先は本部と繋がっている観光客や来客の宿泊施設。
他にも宿泊施設は沢山あるが、見るからにこの島で一番高いであろう雰囲気が[[rb:佇 > たたず]]まいだけで見て取れる。
「喜んで♡」と目をベリーにして即答するナミの肩をゾロが掴む。
「おい、お前らちょっとは警戒しろ。飯奢って貰ったのはありがてェが、ホテルまで金出す奴なんて会ったことあるか?」
「大丈夫だよ。僕、貯金は結構ある。」
「そういう問題じゃねぇよ‼」
「飯を奢ってくれるやつに悪いやつはいねぇぞゾロ‼」
「おめェは完全に餌付けされてんじゃねぇか‼」
キルマに買ってもらった食品や出店の食べ物を頬張りながら言うルフィにゾロが怒鳴る。
「そういえばナミ。はい、これ。」
「え?」
「さっきずっと買い物のとき見てたでしょ、ルビーだよね。さっきはごめんね。気分悪くさせちゃて、君のために買ったよ。」
キルマはナミに箱を手渡した。