• テキストサイズ

【ONEPIECE】青 銅 の 剣 と 番 犬

第1章 ラビスタ編〝未来の海賊王へ〟



 料理ができる間、たわいもない会話を続けているとだんだんと盛り上がり、徐々に皆もキルマに心を打ち解け始めた。

 するとジークが目の前で熱した鉄板の付いた鉄皿を取り出し始める。出来上がりの合図だ。器用にステーキをカットしそれぞれの肉に皆が注文したソースをかけて四人掛けのテーブルへ運ぶ。
 カウンター横を通ると出来立てのステーキがふわっと鼻を通り、ルフィはそれを目と鼻で追いながらよだれを垂らした。

 四人の目の前に置かれた出来立てのステーキは鉄皿からもジュウジュウと音を立てて煙を上げる。
 食欲を五感から刺激されるような感覚に思わず四人は、口に広がっていく唾液をゴクリと飲んだ。

 次にカウンター前にゾロのステーキとキルマの100gのステーキと少な目のライスが置かれ、ルフィの前には先ほどのオーブンで焼いていた骨付きの肉が積み重なっている。

 キルマの目の前に置かれたのは先ほど注文したソースなしのステーキ100g。ではなく、朝に食べ損ねたデミグラスソースがかかっているデミグラスステーキ100gだった。
 キルマは大きく瞬きをする。シーグリンスの手書きのレシートには〝ノーマル〟と確かに書いてあったはず。
 カウンター前で鉄板を拭くジークに視線を向けると彼の目線に気づき手を止めた。

「なんだ、デミグラスが食べたかったんだろ」
「………いいや、ほんとに、今日は雨が降りそうだなって思って!」
「……今日は一日中晴れだぞ。」
「ははは、つれないなジークさんは。」

 それぞれに料理が行きわたると赤牛酒場にまた声がこだました。それと同時に皆が肉にかぶりついた。

「…っ! うまい…」
「美味しい……」
「あぁ、今まで食べた肉と格が違う…」
「うぅ…おれ、あの嵐で死ぬかと思ったんだけど…生きててよかった…」

 サンジ、ナミ、ウソップ、チョッパーがそれぞれに口にした。それをみてキルマは嬉しそうに笑い、グローブを外すと自分も目の前のステーキにフォークを突き立て口へと運んだ。

「おっさん! この肉マジでうめェな!」
「当たり前だ。客にまずい飯出す店なんてあるか」

 ルフィの言葉に相変わらず無愛想な態度で答えるとジークは目の前の鉄板を再び拭き始めた。
/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp