第1章 ラビスタ編〝未来の海賊王へ〟
「…お前、いつもどんくらい食ってんだ。」
彼が答えた“300g”と言う数字にゾロは疑問を抱いた。なぜならキルマは自分のグラム数をジークに伝えていなかったからだ。
この店のサイズは全部で三つある。Sの250g、Mの300g、Lの500gだ。
一体、彼はどれくらい食べるのか。もしかしたらルフィと同じとんでもない胃袋の持ち主なのではないか、と謎の期待と不安を載せながらゾロは彼に問いかけた。
「え、100g」
まさかの減量。心の準備が出来ていたはずのゾロも、これには思わず頬杖から頭がずり落ちた。
キルマが言うには、昼と夜は100gしか食べないという。
「でも朝はちゃんと250gの方食べてるよ!」と付け加えるが、どう考えても普通に少ない。
発展途上の海賊達、ましてや青年や少年であれば250gでも十分な量。人によっては足りない人も出てくるはず。
「それ、…少なくねぇか?」
後ろでゾロとキルマの会話を盗み聞きしてたチョッパーが口を開く。あの小柄な彼でも少ないと思う量だ。少なくないはずがない。
「でも100gの時はごはん付きだよ? 多くない?」
「私だったら…まあ、それくらいでも生きていけるけど…」
クルッとハイチェアを回転させ後ろを向くとまたキルマが問いかけた。
ウソップとチョッパーも改めて眉間に皺を寄せて一生懸命考えているが、様子を見てもおそらく〝多い〟と言う答えには一生たどり着かないであろう。