第1章 ラビスタ編〝未来の海賊王へ〟
「そういえば、ここの建物はなんで全部白いんだ?」
真っ白な街並みを通り皆を道案内している途中、興味津々に建物を見物していたウソップがキルマに問いかけた。
「壁に塗られてるのは石灰だよ。ラビスタ島ではよく取れるんだ。だから建物にはもちろん食器とか温泉とかに結構使われているよ。それにお肌にもいいから便利だよ。特に観光客とかバイヤー、あとはアマゾンリリーの人達がよく買い付けに来るね」
「へぇ、じゃあ私もおみあげに買っていこうかしら…」
「じゃあ後で皆にいろんなお店を案内してあげるね。ラビスタ島には一日じゃ紹介しきれないくらいいっぱいあるから。それに、ラビスタ島は亜熱帯雨林だけど、この石灰のおかげで少しは蒸し暑さも和らいでいるよ。」
「今でも結構暑いけどな…」
「まだまだ、今日は思ったより湿気がないから涼しい方だよ」
その言葉を聞いてウソップの顔が「聞くんじゃなかった」と言わんばかりに引くついた。
「あと、白いのは日差しが強くて暑いときは日光を吸収せず反射する、だから皆目には十分気負付けてね」
後ろに着付く皆に振り返り自身の目元を差しながら忠告した。
「たしかに、ちょっと目が痛いのもそのせいなのか…?」
「じゃあ良かったら僕の使う? 僕は結構慣れてるからね」
「本当か? …じゃあお言葉に甘えて使わせてもらうぞ」
そう言ってキルマが手渡したサングラスをチョッパーが受け取った。
「皆アラバスタに行くんでしょ? 今こんなになってたらそっちで持たないよ。まあ予行練習だと思って頑張って」
そう軽い笑みを浮かべるとキルマは再び街並みへと皆を引きつれた。