第1章 ラビスタ編〝未来の海賊王へ〟
「そういえば、皆さんお名前は?」
再びキルマが振り返る。
「私はナミって言います♡」
「ゾロだ」
「おれは船医のチョッパーだ!」
「俺の名はウソップ! 聞いて驚け! 俺には約8000人のぶ…」
「俺はモンキー・D・ルフィ‼ 海賊王になる男だ! あとあいつがうちのコックのサンジだ!」
「……海賊王! それはいいね! 未来の海賊王と友達なんて僕も鼻が高い!」
一瞬、ピクッとなにかの言葉に反応するキルマ。
しかし何事もなかったかのようにキルマもルフィの肩を組んだ。
海賊王を目指す船長、三刀流の剣士、船のコックに、狙撃手と船医に航海士。
どうやら皆それぞれ役割がしっかりあるようで彼らはれっきとした海賊のようだ。
いまだ後ろでブツブツと話に熱中するウソップに言葉を被せた。
「僕はキルマ、この街の幹部だよ。」
キルマはジャケットのポッケにしまってあった身分証明カードを顔の横で見せながらそう言った。
しかしその不自然な持ち方にゾロは眉を上げるが、たまたまだろうと愚図って動かないサンジの襟足を掴むと皆の後を追った。