第1章 ラビスタ編〝未来の海賊王へ〟
「もちろん。あそこにある煙突見えるだろ? あそこは僕の行きつけのお店なんだ。今まで僕が食べたものの中で二番目に美味しいよ!」
「いや二番目かよ!」と、長鼻の狙撃手が突っ込み、ルフィは案の定目を期待を胸にさらに輝かせた。
「昨日まで嵐で大変だったでしょ、ご馳走するよ。おすすめなんだあそこ、良かったら広めてよ。」
「待て、いいのか? うちの船員は六人いるぜ?」
キルマの〝奢る〟という言葉に金髪の男が待ったをかける。今いる船員は六人。キルマを入れて彼が払う代金は七人分。……いや、確実に一人前以上食べる奴が今、目の前にいるだろう。
本当にいいのか? 後悔しないか? と念入りに圧をかけて聞いても、帰ってくる言葉は笑顔で「大丈夫!」と言う彼の一言だけだった。
「よしキルマ! 早く行こうぜ!」
「あんたは遠慮ってものがないの⁉」
キルマと肩を組み歩き出す麦わら帽子の船長を容赦なく拳で打ったのはオレンジ髪の少女だった。
その光景に刀を三本所持した剣士が「おめェが言うな!」とがなる。
「人にお金を使うのが僕の趣味みたいなものなんだ。だから皆遠慮せず食べていいからね!」
「な、…………なんて素敵な趣味…♡」
振り返えりながらキルマが言うとオレンジ髪の少女が目をベリーにしながらすがりつく。
金髪の男が突然ひざまずきながら涙を流している事に気づいたキルマが心配し視線を向けるが、すぐに緑髪の剣士が「いつものことだ」と流し背中を押した。