第1章 理想のペアと自動販売機
16番コートに到着した理想のペアは、噂になっている自動販売機について、誰か知っている人がいないか聞きに行きます。
「失礼しまーす、すみませーん」
丸井が声を掛けると、16番コートにいた高校生2人が返事をしました。
高校生④「中学生の合宿所参加者か」
高校生⑤「待て、この2人、君島と遠野と対戦した中学生たちだよ。丸井くんと木手くんだったよな」
「あ、はい」
驚いた表情で丸井は頷き、
「そうですが、よくご存知で」
木手は両腕を組みます。
高校生⑤「オレ、試合観に行ってたからさ。ところでどうしたんだ?」
「すみません、噂で知ったんですけど、オレたちがまだ知らない自動販売機がどこかに設置されてるって話、本当ですか?」
高校生④「ああ、本当だよ」
「あなた方、その場所、知っていますか?」
高校生④「ふっ、教えて欲しかったら、オレたちに勝つことだな」
高校生⑤「おい、よせよ。6番コート以上の実力持つ中学生相手に挑むの。しかも野試合禁止だろ」
高校生④「これは野試合じゃねえ。練習だ」
高校生⑤「屁理屈こいて……。仕方ねえな、練習だからな。すまん、2人とも、オレたちの練習、付き合ってくれないか」